AutoCADで壁厚が一発で描ける!二重線(マルチライン/MLINE)の超簡単テクニック

AutoCADで壁厚が一発で描ける!二重線(マルチライン/MLINE)の超簡単テクニック

2023-09-17

AutoCADの二重線(マルチライン / MLINE)とは!?

壁厚を描くために中心線作図→中心線をオフセット→レイヤ調整→トリム…と手順が多く
すごく面倒だと思ったことはありませんか。
その面倒を取り除き、一発で壁厚を書ける機能がAutoCADには備わっています!
AutoCADの二重線機能「マルチライン(MLINE)」を使えば、2本の線を同時に作図でき、壁厚を一発作図できます。この記事では、基本設定から最短手順、編集のコツまでを解説します。(図-1)

図-1

今回は、この二重線「マルチライン(MLINE)」について解説します。
この記事は、youtubeでも解説していますので
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二重線(マルチライン / MLINE)の機能

二重線(マルチライン / MLINE)のコマンドは「MLINE」です。(小文字で可)
コマンドにmlineと入力すれば、超簡単に二重線を引くことができます。
しかも、最初に設定するだけで、任意の壁厚にすることができ、
その壁厚は後から変更するこも可能になります。
初期設定では、以下の内容を設定します。

  1. 線の幅の設定
  2. 線の基点の設定

①線の幅の設定

線の幅の設定は、コマンドを入力後に矢印の「下」を押す又はクリックで「尺度(S)」を選択します。
そうすると、「マルチラインの尺度を設定」と出てきますので、
そこで壁厚(例えば200 )を入力すれば、二重線の間隔200㎜=壁厚を入力することができます。

②線の基点を設定

次に線の「基点」を設定します。
基点とは、”二重線のどの基点を基準に描くか”を設定します。
コマンドを入力後に「下」を押す又はクリックで「位置合わせ(J)」を選択します。
そして、「上」と「ゼロ」と「下」を選択することができますので、
「ゼロ」を選択すると、二重線の中心を基点に書くことができます。
ここで、「上」や「下」を押すと、二重線の両端の線を基点として書くことができます。
一般的には「ゼロ」を選択して書くことが一番標準的で使いやすい書き方だと思います。

③マルチラインで壁厚を書く

最後に、①と②の設定ができたら、実際にクリックして壁厚を書いていきましょう。
例えば、「マルチラインの尺度を設定=200」にして、「位置合わせ=ゼロ」に設定すれば、
冒頭の(図-1)のような形で、壁の中心から壁厚200の線をワンクリックで書くことができます。

二重線(マルチライン / MLINE)の”コツ”

マルチランを使う時のコツはいくつかあります。
それを項目ごとに簡単に解説していきます。

A. マルチラインは分解すると「線分」になる

マルチラインはオブジェクトプロパティとしては「マルチライン」というオブジェクトです。
線分でもなければ、ポリラインでもなく、「マルチライン」です。
そこで”マルチライン”を分解(explode)することで「線分」に変わります。
もし、マルチラインを多用して、複雑になっていった場合は
分解して線分にし、編集していきましょう。

B. マルチラインはトリム可能

マルチラインは、トリムが可能です。
交点でマルチラインをトリムしたい場合は、通常の”トリム”機能を使用します。
その際に、トリムする直前で下記内容が出てきます。(図-2)

図-2

ここでは、「閉じる」と「「開く」と「結合」が出てきます。
基本的には、「閉じる」と「開く」だけ理解していれば問題ありません。
「開く」は、交差部分の線を無くすことです。
「開く」を選択した場合は、図-3のようになります。(図-3)

図-3

このように、”トリム”の「開く」を選択した場合、交差する部分が包括され、線で区切られないようになります。

一方、「閉じる」を選択した場合は、図-4のようになります。

図-4

「閉じる」の場合は図-4のように、包括されず、線が区切られます。

ほとんどの場合は、図-3のように「開く」を選択するのが良いでしょう。

まとめ

二重線(マルチライン / MLINE)は、壁厚を描く上では一番使い、一番便利な機能です。
壁厚を書く上で、この機能より良いものはありません!
普段は線分を描いて、オフセットやレイヤー等を分けないといけませんが、
ワンクリックで2本の線を一気に書けることはものすごく時短になり、作図効率が上がります。
これを駆使すれば、非常に効率良く図面を描けるようになりますので、
実践で、色々な場面で使ってみてください!