CGテクニック「アンビエントオクルージョン」(中上級編)

CGテクニック「アンビエントオクルージョン」(中上級編)

アンビエントオクルージョンとは

アンビエントオクルージョンとは、陰のことを示します。
これは、物体と物体が接している部分に生じる陰のことです。
現実にも同じ現象が起きており、直角の部分は形状の関係から暗くなります。
それをCGで表現することができれば、よりリアルに作ることができます。
この知識を知っているだけで、他の人が作ったCGに
アンビエントオクルージョン(以下、AO)がかかっているかどうか判断でき、
その人がCGに関する知識を持っているかどうかもわかります。
どのレンダリング方法にもよりますが、一般的には通常のレンダリングをしただけでも
AOの効果は得られますが、大きなAOの効果は付与されません。
基本的には、必要な個所に自分で意図をもって行うことで、
AOを使うことができ、よりリアルなCGになります。

AOを説明する前に

アンビエントオクルージョンがどのようなものか実際に見てみましょう。
言葉で説明すると、「隅にできる黒い部分」になりますが、
CGではより奥深い立体感のある表現になります。(図-1)

図-1(左がAOなし、右がAOあり)

vrayにおけるアンビエントオクルージョン

Vrayにおけるアンビエントオクルージョンは2通りの方法があります。
一つは、すべてのオブジェクトに対してAOをかける方法と、
マテリアル毎にAOをかける方法があります。
一般的には、マテリアル毎に設定するのが通常です。
なぜなら、細かく設定できるからです。
また、全体にAOをかけてしまうと、かかってほしくないところまで影響してきます。
ディテールが細かかったりするとき等もマテリアル毎に設定しないけません。

それでは、その二通りの方法を説明しましょう。

すべてのオブジェクトに対してAOをかける(vray)

これは、すべてのオブジェクトに影響します。
設定は非常に簡単です。
「レンダリング設定」⇒「GIタブ」⇒表示モードを「expart」に変更⇒「amb.occlusion」をオン。
これだけです。(図-2)

図-2

amb.occlusion:影の強さ
radius:影の長さ
subvibs:影の精度

です。これを変更して全体にAOをかけます。
しかし、この場合は思わぬところで影が濃くなったり、薄くなったりするので、
お勧めはしません。また、物理的にも正しくありません。
次に紹介するマテリアル毎に設定する方法がおすすめです。

マテリアル毎にAOをかける(vray)

これはマテリアル毎に設定をしていきます。
マテリアル毎なので、マテリアルにAOの機能を追加します。
ただし、VrayにはAOのマップやマテリアルがありません。
他の機能を代用してAOにします。それは「Vray Dirt」です。
Vrayも公式にAOの設定方法としてVrayDirtを使用していますので、
AOとしての機能として覚えても構いませんが、
VrayDirtは名前の通り、本来汚れを表現するマップです。
四隅に汚れを表現したい場合に使用しますが、
その汚れの表現を黒で表現すればAOになります。これが仕組みです。
ではVrayDirtでAOの設定方法をみていきましょう。

スレートマテリアルを開いて「マテリアルブラウザ」の中から「マップ」⇒「Vray」⇒「VrayDirt」を
ドラッグしてビューに持ってきます。
「unocluded」に表示させるマテリアルを入れます。
VrayDirtの設定画面(右側)で「ocluded color」で影の色を設定します。
「radius」で影の長さを設定します。
設定ができたら、VrayDirtから、VrayMtlのdiffuseへ接続します。(図-3)
これでマテリアル毎の設定が完了です。案外簡単です。

図-3

AOの正しい使い方

AOはただ使えばリアルになるわけではありません。
もちろん、AOの適した環境と適していない環境があります。
適した環境は「室内」です。
室内は、AOのテクニックを使えばリアルなインテリアCGに仕上がります。
筆者もネットでインテリアのCGをみるときは、まずAOの有無を確認してしまいます。(病気です)
AOがあるだけで雰囲気が異なるため、作った人が意図をもってやったかどうかが一目でわかります。

適していない環境は「屋外」の太陽光が差すシーンです。理由は「不自然」になるからです。
「室内だとリアルなのに、室外だと不自然ってどういうこと?」と思うかもしれません。
不自然になるのはやってみればわかりますが、「太陽光」が原因です。
太陽が当たっているのに、隅に影ができるとおかしいですよね?
光が当たっているので、影がでないのに、AOをかけると出てしまいます。
そのため、屋外でAOを使用するのは不向きなのです。

技術があるからといって、むやみに使用するとかえってへたくそになります。
適した環境で使うように心がけましょう。

まとめ

アンビエントオクルージョンについていかがだったでしょうか。
これぞCGの真骨頂の技術かもしれません。
筆者はAOは同じマテリアルで立体感が出ないときなどにも使用します。
ただ、多用はしません。あまり効果が強すぎると違和感のあるCGになってしまいます。
正しい使い方と使う場所さえ押さえれば、非常に良いCGに仕上がりますので、
ぜひ試してみてください。

今回は中上級者向けの内容のため、スレートマテリアルの説明は省いてしまいました。
これもまた今後このサイトを通して説明していきます。
今後も、楽しみにサイトをみてくれると嬉しいです。


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