photoshopでCGに人を置くテクニック!

photoshopでCGに人を置くテクニック!

2023-08-20

CGに人は必要か!?

建築CGを見ていると、人を置いていないパースを見かけることがあります。
写真で建物を撮る時も、人がいない方が良いと思う人もいるかもしれません。
人を置くことには、必ず理由があります。
その理由を知ることで、フォトリアルなCGに一歩近づくと思います。

結論から言えば、
CGでは”人”は必要です。
その人を配置する理由を解説した後に、
人を配置する際の技術をお伝えします。

建築CGに人を配置する理由

人を配置する理由は4つあります。

一つ目は「スケール」です。建物の大きさは、人がいなければわかりません。
CGに寸法は入らないので、唯一大きさの比較対象となるのが人です。
それが一つ目の理由です。

二つ目は、「賑わい」です。
極端な例ですが、例えば万博のCGを作ったときに、人がいなければ
すごく寂しいCGパースになります。
保育園のCGを作ったのに、子供がいなければ、建築が人が集まらない建物に見えてしまいます。
保育室なら、子供がいないと通常よりも低い机や椅子のスケールが分かりにくいですよね。
そういった人の動きを加えることで、普通のCGではなく
より活き活きとした”動き”や”時間”も表現した建築CGパースになります。

三つ目は「季節」です。
人が着ている服装を見て、厚着をしている人だと、冬とわかりますし、
半袖半ズボンであれば、夏だとわかります。
すごい晴れているパースなのに、厚着をしている人だと違和感があるのはわかると思います。

四つ目が「国」です。
通常は日本人しか思っていないと思いますが、
通常は、その建築CGパースを作る土地の人を使います。
例えば、その地域の文化や衣装があれば、それを人の配置に取り入れます。

建築CGパースを作る側にとって、「人」はいなければならない存在なのです。

人を配置する技術!

それでは、人を実際に配置する技術を紹介していきます。
一番大切なことは、”CGの状況を実際にイメージする”です
例えば、実際にCGに人を置いたとして、その”人”は屋外の状態なのに、
その人を屋内に置くと、人は太陽にあたっていて、影があるのに、屋内には影がない等、
変な状態になるので、CGの状況と、人の状況を一致させることが大切です

まずは、図-1をご覧ください。

図-1(左:人入り調整後のCG、右:人を入れただけのCG

図-1を比較してわかるように、左側は人を置いて、周りの状態になじむように人を調整したもので、
右側は、単に人を置いただけのCGです。
見ただけで分かるかと思いますが、人の光の当たり方を意識した左側の方が
圧倒的に良いことが分かります。
これらをどのように加工していくかを見ていきましょう。

①の彩度

まずは、人を置いたら真っ先にすることが、再度の調整です。
CGに人を置くと、ほとんどの場合、人の彩度が高すぎて、かなり違和感のあるCGになります。(図-2)

図-2(左:彩度補正なし、右:彩度補正あり)

図-2の右側は、実際に彩度を調整し、左側は彩度を補正していません。
実際に、人の彩度を下げると、海外でよく見るカッコイイ人のようになります。
筆者の元先輩が良く言っていましたが、
「人を置くときは、ぎりぎりゾンビにならないくらいの彩度が良い」といつも言っていました。
実際に、人を置いた時に、彩度を下げると全体になじんでクールな人の配置になるので、
ぜひやってみてください。

②人の陰と影

人を置く時には、影も重要なポイントとなります。
人の素材はもともと外が屋内かで撮影された画像であり、
その画像の陰の付き方で、建築CGへの人の置き方の決め手にもなります。
その中でも、陰と影の2種類があります。
とは、光が体にあたった時の、光があたっていない側のことです。
とは、光が当たって地面に映ったものです。
なので、陰は、形にとらわれず、影は形にとらわれます。
CGで大きな決め手となる影と陰ですが、
両者ともうまく表現することができたら、
切り取った人がペタっと張り付いているだけではなく、
”建築CGの中に実際に人が入った” CGとなります。
実際に見てみましょう。図-3をご覧ください。

図-3(左:陰なし、右:足下に陰あり)

図-3の左側は、人の足元に陰を反映させました。
太陽の光からでる影ではなく、地面を接した足にできる陰です。
こうすることで、人を配置した時に、人が宙に浮かず、
しっかりと据わった人を配置することができます。
そこからさらに、人の陰になりえる部分に陰を付けていきます。(図-4)

図-4(陰をさらに追加した画像)

図-4を見てもらったらわかるように、さらに陰を追加し、陰影がでるようにしました。
ここからさらに、床に映る影を加えます。(図-5)

図-5(影を追加)

これで、人がしっかりと据わった感じがでたと思います。
ちなみに、人影の色や付き方は、他のレンダリングした画像に近いように加工しています。

③光の当たり方

最後に、光の当たり方です。
②では影と陰の話をしましたが、次は光がどのように人にCGの中で当たっているかを考え、
光の強さを強調します。
明るくなりそうな部分を明るくしていくことがポイントになります。(図-6)

図-6(人にあたる光を強調させた)

図-6を見てもらえばわかる通り、最初の画像とは大きな違いがうまれていると思います。
これが、人を置く際に必要な手順になります。
人の彩度を調整し、影と陰を付け、光を加える
これが、CGで人を置く際に必要な技術です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、建築CGパースに人を置く技術を紹介しました。
大切なことは3つ
①彩度
②影と陰
③光

です。
特に②の影と陰が筆者は重要だと感じています。
これをするだけで、CGが各段にあがること間違いありません。
ちなみに、よく初心者の方でやり勝ちなのが、
人の彩度を調整しないまま置くことです。
彩度は本当にゾンビにならない程度が一番かっこよく見えます。
図-6でも若干彩度が高いと筆者は思っています。

これらをマスターして、建築CGパースの腕も磨いていってください!