一級建築士学科試験 勉強法

一級建築士学科試験 勉強法

2022-10-04

筆者の一級建築士に合格するまでの道のり

今回は、筆者が一級建築士に合格した際の勉強方法についてお話します。
筆者が一級建築士に合格したのは2022年です。
学科は2020年に合格し、製図は一度不合格になりましたが、翌年合格しました。

学科は独学で6年間勉強してきました。
初年度はとてもやる気に満ちていて、一日7時間勉強をしていましたが、

89点(当時の合格点は90点)で一点差で不合格になりました。
そこからいくら独学をしても不合格で、かなり落ち込みました。

そこでようやく資格学校へ行く決意をして、資格学校へ通った年度に
学科は合格することができました。
そのまま製図試験を受けようと思いましたが、作図はとてつもなく遅く
本当に学校でビリでした。そして、製図版もT定規と木製の製図版でやっていたので、
周りからは白い目で見られていました。
製図の初受験は作図が遅く、計画の要点も全くできなかったので、
受験をあきらめてしまいました。

翌年もう一度製図試験を受けて、次は根気強く諦めずに頑張って合格することができました。
色々やらかしたことが多かったですが、それは後々記事にしていきたいと思います。

筆者の一級建築士勉強法

筆者の一級建築士の勉強法は、大きく分けて4つです。

  1. 図や概念をまる暗記
  2. 過去問5年分をすべて制覇(最低5回は解く)
  3. 毎日2~3時間は最低勉強
  4. 学校の授業や宿題は100%行う

この4つはしっかりとやっていました。

①図や概念をまる暗記

図や概念をまる暗記していました。

計画では古い建築は時間軸で丸暗記しました。

環境では図や公式をそのまま覚えました。
解くに図を丸暗記(図を書けるようにする)は非常に効果的でした。
後に記述しますが、図を書けるようになれば、応用問題にもなんなく対応できました。

法規は8割は暗記です。法令集を毎回調べていると自然と覚えるようになります。

構造はもちろん構造計算は絶対に公式を覚えます。
他の数値関連も丸暗記しました。(ゴロ合わせで覚えることはあまりしませんでした。)

施工も図と共に数値を丸暗記です。覚え方としては環境と同じで図で覚えたほうが良いです。
ずっと丸暗記と言っていますが、人間の脳は図と共に覚えると非常に覚えやすくなるのでお勧めです。

ほとんど暗記になりましたが、やはり一級建築士に合格するためには
それぐらいの努力をしないと合格しません。
筆者は覚えることが苦手ではありましたが、
できる限り「実務で使えるような覚え方」と「図と共に覚える」を意識してやりました。
興味がないことは覚えることが非常に難しいです。
なので、普通は「環境/設備」を苦手にする人が多かったのですが、
筆者が環境や設備に興味を持ち始めてから苦手意識がなくなりました。
理由は、実務と関連づけて覚えるように努力したからです。
そういった”覚えること”に対しても心構えを前向きに持つこと
暗記しやすくなると思います。

②過去5年分をすべて制覇(最低5回は解く)

過去問はやはり一級建築士合格への一番の近道です。
ただし、過去問だけ学習しても合格するには難しいです。
しかし、過去問なくして合格もあり得ないのです。

筆者の場合は、学科試験までの1か月間はひたすら過去問をしていました。
なぜならそれまでに学習をすべて終わらせていたからです。
過去問だけをやっても合格への道は遠いですが、
しっかりと知識を身に着けた状態で過去問をたくさん解くことは非常に効果的です。

学科試験一か月前はもう新しい知識を学習することはないので、
最後の一か月はひたすら過去問をするのが一番効果的だと筆者は思います。

つまり、”しっかりを知識を身に着けた後に過去問をたくさん解く”
最も効果的だと考えています。

筆者は、過去5年間の問題を10回ぐらい勉強しました。
過去5年分の試験を1問も間違えないまでやるのが一番良い方法だと思います。

③毎日2~3時間は勉強

合格するために、毎日勉強を欠かさないことを心がけました。
個人的にはこれはすごく簡単でした。
例え仕事で夜遅くまで仕事をしても、必ず2時間は勉強しました。
23時に仕事から帰ってきて、お風呂とごはんをたべて、そこから勉強をしていました。

ポイントは”毎日”勉強することです。
ルーティーンに組み込むことで、嫌々勉強することがなくなりました。
むしろ、早く勉強したいと思うようになり、
18時過ぎに家に着いたときは、ごはんを食べて
19時~22時まで勉強してそこから自由時間を作っていました。
ノルマを達成したら好きにしていいと自分に勉強のご褒美も与えることで、
勉強すれば自分のしたいことができるようにしていました。

”毎日”勉強することで、少しでも勉強をすることが”苦”にならないように工夫が必要です。
筆者は勉強が最後は楽しくなっていました。

④学校の授業は100%出席、宿題100%提出

勇気を出して資格学校に行ったとき、108万円を払いました。
もちろん、行かないとお金がもったいないと思ったのも大いにありますが、
筆者が思っていたことは
”資格学校が合格するカリキュラムが組まれているので、資格学校の課題をすべてやれば必ず受かるのではないか”
ということを思っていました。
それはそうですよね。
合格するように組まれた学習法や宿題提出をしっかりやっておけば、合格に一番近くなります。

自分が独学で勉強してきたことを見直し、資格学校が言う通りにすべてをやりました。
おかげで学科は一発で通ることができました。

毎日勉強の中に、もちろん資格学校の宿題や課題も含まれていました。
それ+αをやっているだけで、学科に合格するなら絶対にやりますよね。

資格学校の人も宿題を毎日提出している人は合格率は8割近くになると言っていました。
自分の勉強法を頑固に続けるのではなく、
資格学校の方法をしっかり身に着けるほうが、合格への近道なのです。
サボらない心があれば合格に近づくと思います。

過去問勉強と過去問依存からの脱却

②の「過去5年分をすべて制覇(最低5回は解く)」にかなり近い話にはなります。

ここで筆者が言いたいのは、”過去問の勉強が大切”なことと、”過去問ではなく、知識を身に着ける”
ことが大事なことです。

過去問はもちろん大切ですが、過去問ばっかりやっても合格には近づきません。
しっかりと根拠となる知識を身に着けることも大事です。
それは、過去問から身に着けるのではなく、しっかり教材から知識を身に着けます。

しっかりと知識を身に着けたうえで、なぜ問いが間違っているのかをしっかり理解する必要があります。
それができれば、応用問題にもしっかりと答えることができます。

毎年問題を見ていますが、やはり新しい問題がかなり出ています。
そういった新しい問題に対して、
過去問ではなく、教材から得た知識があればしっかり対応できる問題ばかりです。

過去問を勉強すれば、教材もある程度わかるという人もいるかもしれませんが、
それだと過去問に依存しすぎる可能性が高いので、
やはり、教材からしっかりと教養を得た状態で過去問を学習することをお勧めします。

この方法で筆者は学科試験の一か月前に教材の知識をすべて身に着け、
最後の一か月でひたすら過去問を解き続けました。
おかげで、合格した年の点数は97点でした。

  1. 過去問の学習
  2. 過去問ではなく、問題ではない教材の学習

この2つを心がけてみてください。

5教科のどれを重点的にすべきか

一級建築士の学科試験は、計画・環境・法規・構造・設備の5教科あります。
どれに重点を置いたら良いかが悩ましいところだと思います。
筆者は、まずは”構造の計算問題は絶対に間違えないようにすることを心がけました。
構造は30点満点で配点も高く、その中でも構造計算の問題は毎年6~7問あります。
計算問題は公式と解き方をしっかり身に着ければほぼ100%点数を稼げます。
まずは、それを落とさないように構造計算をしっかりと身に着けました。

次に配点の高い法規に重点的に勉強しました。
法規は調べ方がわかるまで時間がかかるので、まずは法規の調べ方を勉強しました。
法規は引けば引くほど身につくので、教材というよりはひたすら問題を解きました。
解いていくうちに、条文や数値を少しづつ覚えるので、法規の内容の
7~8割ぐらいは暗記になります。法令集を引き続ければ、自然と覚えるので、
ひたすら法令集と向き合って勉強しました。

その次に苦手な科目を勉強していきました。
構造と法規をクリアすれば満点と取れればそれで60点確保できます。
あとは、足切りが内容に苦手な科目を勉強するだけで
60点+計画11点、環境11点、施工18点で100点になるので合格できます。

つまり、構造と法規を満点近くとれるように勉強して、
足切りが無いように苦手な科目を勉強するだけ

合格に近づきます。

言葉では簡単ですが、しっかりと努力が必要です。

  1. 構造を勉強する
  2. 法規を勉強する
  3. 苦手な科目を勉強する

この順番で勉強すれば、少しはゴールが見えてきたと思います。

暗記で大切なこと

暗記をするときに大切なことが2つあります。

  1. 図で覚える
  2. 忘れないように何回も書く

暗記するにはこの2つを心がけましょう。
図で覚えるものは図で覚えた方が良いです。
試験の時にその図を書くだけで、問題の答えがわかります。
またどこかで記事にしますが、この図で覚えると
考えなくても図と文章が異なっていれば間違いで、
図の通りに”問い”が説明していれば、それが正当枝です。

図で覚えるだけで楽に問題を解くことができるようになります。
A4用紙7~8枚ぐらいの図は暗記しました。
それを毎日忘れないように昼休みの間に繰り返し書きました。
頭の中で理解していても、しっかりと毎日書き出して暗記しました。

暗記するときに最も大切なことは”忘れないこと”です。
忘れないためには、毎日思い出していれば、忘れることはありません。
その継続をやめたときに忘れることになります。

①図で覚える、②忘れないように何度も書く をしっかりと継続できれば、
しっかりと暗記できると思います。

私は苦手でしたが、ゴロ合わせで覚えるのも効果的だと思います。

まとめ

一級建築士の学科試験の合格者の勉強時間は1000時間以上といわれています。
平均一日3時間勉強できれば、合格者と同じ勉強時間に到達します。

もちろんそれでも不合格になる可能性もありますが、
合格者と同じ土俵に立てると思います。

勉強時間=努力の証 なので、これだけはサボれないところになります。
天才は勉強しなくても合格しますが、
天才の人はこのブログは見ていないと思うので、
この記事を見ている人は、まずは勉強時間を確保して、
1年間で1000時間以上を目指しましょう。
そうすれば、ようやく合格が見えてくると思います。

次は資格学校へ通うと決めた人に向けた「資格学校へ行くと決めたら読む記事」を紹介したいと思います。