Forest Packの使い方 – Transform –

Forest Packの使い方 – Transform –

2022-02-10

Transformとは

Forest packのtransformは、オブジェクトの
「位置」「向き」「スケール」の3つをランダムに変更することが可能です。
例えば植栽を配置する場合、フォレストパックで配置すると
ランダムに配置できたように見えますが、大きさや向きなどは
全部揃っていますし、位置もよく見れば同じパターンの繰り返し
になっています。
そういった”コピー&ペースト感”を無くしてくれる機能がtransformです。
日本語で言えば「変形」ですが、
その「変形」するのが、位置と向きとスケールの3つです。

その位置と向きとスケールを”ランダム”にすることができるので、
同じ1種類の木を配置しても、コピペではないナチュラルな
配置が可能になります。

では、その方法を見ていきましょう。

traslationの機能

translationはオブジェクトの位置を調整する項目です。
この機能をオンにしない限り、位置はランダムにならずに、
Distributionのimageによって位置が定義されます。
この機能をオンにすることで、imageの画像よりもランダムに位置を調整することができます。
”位置”の数値は%で表示され、現在の位置から何%動かすかを定義します。
その数値はマイナスからプラスの間で調整します。
なので、例えば-20%~20%(合計40%)の間で位置をずらすということです。
しかし、その40%の意味は、「40%の間でランダムにする」という意味です。
なので、全部が40%動くわけではなく、それぞれのオブジェクトが40%の間の
ランダムな数値分移動するということです。
1%しか移動しないオブジェクトもあれば、-19%移動するオブジェクトもあるということです。
注意すべき点が一つあります。
translationを調整すると、配置している面を超える可能性があることです。
面に配置する場合、配置されたオブジェクトはdistributionのimageによって
位置が定義されています。なので、面を超えて配置されることはないのですが、
translationをオンにすることで、imageで定義された位置からずれるので、
そのずれた分は配置した面から外れてしまいます。
なので、位置をずらしすぎると思わぬところにオブジェクトが配置されることがあります。

rotateの機能

rotateは、オブジェクトを回転させる項目です。
回転させるのは、X、Y、Z方向の3種類です。
XとYは、回転というよりは、”傾き”を調整する項目になります。
XとYの数値を追加すれば、垂直になるオブジェクトが傾きます。
またZは、Z軸に対してなので、オブジェクトが”回転”する形になります。

数値の単位は”度”なので、デフォルトではX,Yが-5~5度(合計10度)
の間でランダムに傾き、
Zは0~359度でランダムに回転する形になります。

木を配置する場合はこのデフォルトの設定で特に問題ありません。
木の場合は、XYの数値を大きくしすぎると、少し不自然に感じます。
(木は本来垂直に伸びるため)

また、フォレストパックで人を置く際は、XYの数値は0にします。
なぜなら、人は傾かないからです。

車の場合は、このrorateは使用せず、他の方法を使用します。
その理由はまた別の記事で書きます。
車の場合は、特殊なのです。

scaleの機能

scaleは、オブジェクトの大きさをランダムにします。
数値の単位は%で、デフォルトで80~120%です。
基本的にそのままで問題ありませんが、
数値を大きくしすぎた場合は、少し不自然に感じます。
例えば、木の場合はスケールアウトした木がでてきます。

また、人をforest packで配置する場合は、
ここは絶対にオンにしません。
人の大きさが変わってしまうので、人が視線の高さでそろわなくなります。
車も同様です。

Transformの使い方

translationとrotate、scaleについてざっくりと解説しましたが、
実際にやってみるとどのように違いがでてくるのか見ていきましょう。
ちなみに、transformはデフォルトではオフになっているので、
transformを使用したい場合は、絵の右側の”Enable”にチェックを入れてください。
forest packでtransformを使わずに配置すると、図-1のようになります。

図-1

木が配置されましたが、コピー&ペースト感があります。
そこで、まずはtranslationで位置をずらしてみます。
translationだけでは実はあまり効果がありません。
ですが、パターン化された配置からは脱することができます。(図-2)

図-2(左:transform効果なし、右:stanslate on)

図-2では、あまり劇的な変化はみられません。
それは、”向き”がすべて同じだからです。
次に、rotateで木をランダムに回転させましょう。(図-3)

図-3

これでかなりランダム感はでたはずです。
図-2の右の画像と比較してみましょう。(図-4)

図-4(左:translation オン、右:translation と rotate オン)

比較すると、違いが結構わかるかと思います。
次に、スケールを調整してきましょう。(図-5)

図-5

かなりいい感じになりましたね。(図-5)
図-4の右側と比べてみましょう。(図-6)

図-6(左:translation rotate オン、右:translation rotate scale オン)

とてもよくなっているとおもいます。
今回は、木一本でこれぐらいナチュラルにすることができました。
もう少し良くしていくようにするには、
geometoryで木の種類を増やしましょう。
そうすれば、図-7のようになると思います。

図-7

これで、forest packを使って木を自然な感じに配置することができます。
transformは木を配置するうえで欠かせない機能の一つです。
木を配置する上でのポイントは、全部緑の木にするのではなく、
一部に黄色や赤色に近い木を加えることで、よりナチュラルな配置にできます。

全部同じ色だと、立体感に欠けるので、少しだけ
アクセントカラーを加えてあげるほうが良いCGに仕上がりやすくなります。

まとめ

今回はforest packのtransformの機能について解説しました。
実は、他にもtransformの機能はありますが、今回の記事さえ覚えていれば、
特に問題はありません。
transformの機能を掘り下げるよりも、それよりも便利な機能は山ほどあります。
そちらに意識を向けましょう。

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