Vrayのカメラと太陽の関係性の検証

Vrayのカメラと太陽の関係性の検証

カメラと太陽の関係

今回はカメラ(Vray physical camera)と太陽(Vray Sun)について話していきたいと思います。
建築CGを作る際に、ほとんどの場合VraySun(太陽)を使うと思います。
そのVraysunとカメラの関係について理解しておく必要があります。
その中で、最も重要になってくるのか「明るさ」についての指標です。
例えば、「普通の昼のシーン」と、「そのシーンを太陽の強さを2倍にして、
カメラのシャッタースピードを2倍にした昼のシーン」では
CGとしての見え方が変わるのかどうか
を解説していきます。

今回は、私もやりながら確認して、考察しました。
概ね合っていると思いますが、場合によっては今回の考察と
結果が異なることもあるのでご注意ください。

明るさの調整はVraysun or Vray physical camera?

CG全体の明るさの調整は、VraysunでもVray physical cameraでもできます。
では、両者で明るさを調整する場合にどのようにCGが変化するかを見ていきましょう。
これを理解できれば、全体的な明るさを意のままに扱うことができます。
まずは、基本となるCGを元に、VraySunとVray physical cameraを変更していきましょう。
まずは、図-1をご覧ください。

図-1

これは、ごく普通にレンダリングした画像です(図-1)
この図-1をベースに、まずは太陽のintensity(強さ)を通常の倍にしてレンダリングします。
その画像と、図-1の普通の画像を比較します。

図-2(左:通常、右:太陽の強さ2倍)

図-2の右側、太陽の強さを強くすると「明るさ」はもちろん異なるのですが、
それ以上に見てほしいのが、「影の濃さ」です。
太陽の強さが強いほうが、影が濃くなるのです。
そして、もう一つ見てほしいのが、明るくはなりましたが、
HDRI(背景)は明るくならないのです。
ここが重要なポイントです。

太陽を強く=影が濃くなる
太陽を強く=HDRI(背景)は明るくならない


この2点を覚えてください。
次に、図-3で、Vray physical cameraのシャッタースピードを半分に下げてみましょう。(図-3)
(明るくするという意味)

図-3(左:通常、右:Vray physical cameraのシャッタースピード半分)

明るくはなりました。
ここで注目してほしいことは、HDRI(背景)が明るくなったことです。
そして、影はそこまで明るくなっていないことです。(ほんの少しだけ明るくなっている)

それでは、次に、図-2と図-3の右側の画像のみを比較してみましょう。(図-4)

図-4(左:太陽の強さ2倍、右:カメラシャッタースピード半分)

これで筆者が言いたいことが分かったはずです。
カメラで明るく(シャッタースピードを遅くする)すれば、HDRIに影響するが、影にはあまり影響しない
太陽で明るくすれば、HDRIに影響はしないが、影には影響する

です。
ひとえに「明るさ」といっても、どの機能を使って明るくするかによって結果が異なってきます。

最後に、図-1の通常の画像と、太陽の強さを2倍にして
シャッタースピードを上げた(暗くする)場合の画像がどのようになるかを見てみましょう。(図-5)

図-5(左:通常、右:太陽の強さ2倍、シャッタースピード2倍(暗くする)

結果は、HDRIは暗くなり、影は濃くなるです。
図-2と図-3の考察から、おのずと上記の結果は見えてくるはずです。

まとめ

今回は、「明るさ」について、Vray SunとVray physical cameraを使った
検証について解説しました。
単に「CGを明るくした」としても、Vray sunを調整するのか、Vray physical cameraを
調整するのかで結果が異なってきます。
そういった”違い”があることを覚えましょう。

ちなみに、筆者もさっきこれを発見したばかりです。
実は、カメラと明るさの関係について記事を書くつもりでしたが、
明るさを調整する方法にも違いがあることに気づきました。
そこで、カメラと明るさの関係ではなく、
太陽とカメラの関係性についての記事にしました。

筆者も知識は持っていますが、まだまだ未熟なのです。
お互いに頑張って切磋琢磨してきましょう。

youtube

youtubeでもこの記事の内容を解説しています。
同じ内容ですが、記事で分かりずらかった方は、
こちらもご覧ください。

登録者数100人いったら、建築CGの作り方のライブ配信をする予定です。
ぜひチャンネル登録もお願いします。